コンゴ民主共和国で拡大するエボラウイルス病(エボラ出血熱)をめぐり、世界保健機関(WHO)はスイス・ジュネーブ時間の6月14日午後、現時点での感染拡大は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には該当しないと判断した。
2014年に西アフリカで発生し、1万1,308人(米疾病対策センター、CDC)が死亡したエボラの大流行でWHOは「緊急事態」を宣言していた。今回のコンゴ民主共和国での流行は、過去2番目の規模となっている。
「緊急事態」に該当するかを検討する緊急委員会は、コンゴ民主共和国から、隣国のウガンダに感染が拡大したのを受けて開かれた。
ウガンダでは11日以降、5歳の子どもと、その祖母の感染が確認され、13日までに死亡が確認された。2人は、治療を求めてコンゴ民主共和国側から国境を越えて、ウガンダに入国したとされる。
WHOは、コンゴ民主共和国と隣接する各国への感染拡大のリスクは、現時点では低いと判断した。ウガンダでの感染者の確認については「想定外ではない」としている。
緊急事態が宣言された場合は、「国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止すること」を目的に、必要な措置が取られる。
具体的には感染が広がっている地域への渡航制限や物流の停止などが含まれる。
コンゴ民主共和国での死亡者数
WHO
(2019年6月12日現在)
エボラによる死亡と確認:1,317人
疑い例:94人
合計:1,411人
コンゴ民主共和国での感染者数
WHO
(2019年6月12日現在)
感染が確認された事例:2,014例
疑い例:94例
合計:2,108例
写真は、コンゴ民主共和国のベニにあるエボラウイルス病の治療施設内を歩く医療従事者の男性。2019年1月16日撮影、世銀提供。
Photo: World Bank / Vincent Tremeau taken in January 16, 2019, on Beni, Democratic Republic of Congo. A health worker walks by the Ebola Treatment Center managed by Alima.